2017年4月15日

この春のことなど

春という季節があまり好きではなかった。出会いと別れだとか、新生活だとか、要はそういう有無を言わさないような環境の変化が苦手だった。ここ数年でそういう気持ちが変化してきたのは、ひとりで働くようになり、有無を言わさないような変化をつよく感じることがなくなったからで、そうすると気持ちに余裕もできて、柄にもなく季節の花を見てうつくしいと感じたりなどしている。今年は出張買取に向かう車のなかから白木蓮をたくさん見た。いろいろなところで見た。


三月のおわりにTwitterをやめた。いろいろと考えた末、というつもりで、それについてはまた考えがまとまった頃に書いてみようと思う。これまで読書が捗らないのをTwitterのせいにしてきたこともあり、ここで読まなければどこで読むのか、という気持ち。この半月ほどで面白く読んだのは、リャマサーレスの『黄色い雨』、岸政彦の『ビニール傘』、トルーマン・カポーティの『ティファニーで朝食を』。今は詩のようなことばで書かれた散文にこころを惹かれているようだ。


花の話も出たので、というわけでもないのだけれど、俳句のことを少し。年の暮れから俳句をつくりはじめて、実はあまり捗っていません。今は忙しいせいにしつつも、実際のところはどうなのか。句集を読むことはしていて、最近は飯田龍太、小澤實をよく読んでいます。龍太はこの冬に池袋のジュンク堂で買った『飯田龍太全集』1巻(角川書店)で、實は随分前に新宿の紀伊國屋書店で買った『小澤實集』(邑書林)で。少し前衛寄りのものが恋しくなってきた今日この頃。これも紀伊國屋書店で買った田島健一『ただならぬぽ』を繙く頃合いなのか、どうなのか。あと、葉桜がうつくしいここ数日は、中尾寿美子の「葉桜や家出をおもひ家にゐる」という句をよく思い出します。好きな句です。


そして四月からフルタイムの従業員を雇うことに。Oさんは大学の後輩で、どことなく自分に似たところがあり、お互いに人見知りせずに済んでいる。今は店番をしてもらったり、本をきれいに磨いてもらったり、値付けをした本を棚に並べてもらったり。自分は棚づくりに妙なこだわりがあるので、ほかのひとに棚を触ってもらうことについて不安もあったが、これは取り越し苦労だった。Oさんなりに棚づくりを愉しんでくれているようで、彼女が帰った後に棚を見ると、自分では思いつかなかったような、それでいて面白い本の並びに新鮮な驚きを感じる。「なるほどー」「たしかにー」「これなら売れそうー」などと声に出さずに思いつつ。


その四月もそろそろ後半戦。肩の力を抜いていきたい。